ミリオンダラー・ベイビー
イーストウッドの映画は、いつも一筋縄では行かない気がします。
それが良いのですけどね。。
しかし、ミリオンダラー・ベイビーは、ずっしりと、重い内容の映画です。
内容を書いていったら、長くなったので読みたい人は、moreをクリックして下さい。
ネタバレです。観てない人はやめましょう。
名トレーナーでジムの経営をしているイーストウッドは、名ボクサーを育て
これから金が稼げると思ったい時に
他のジムにボクサーを取られてしまいます。
そんな時、あるヒラリー・スワンが現れボクシングを教えて欲しいと言うのです。
女のボクサーを見下しているウッドは
一旦は断るのですが、熱意に負けジムに来ることを許します。
ジムに来ることは、許しても何も教えません。彼女がボクシングを始めるには遅すぎるから。。。
スワンは、毎日ジムに現れ、夜遅くまでサンドバックを打ち続けます。
それを観ていた掃除夫のモーガン・フリーマンは
ウッドが昔使っていたグローブを貸してやります。
ウッドは、スワンが使っているグローブを見て怒りますが
スワンの根気と熱意に負け、ボクシングを教え始めます。
才能が有ったスワンは、めきめきと実力をつけ。頭角を現し始めます。
そんな時、ウッドにスワンを当て馬に使わせてくれという依頼が来ます。
ウッドは、戦わせる気は有りませんでしたが
戦う気満々のスワンを見て、戦わせることにします。
そして、スワンはその試合に勝ってしまうのです。
ウッドは、この頃から、離婚して会えなくなった娘と
スワンをダブらせ始めます。また、スワンの恵まれなかった
今までの人生を知ります。
スワンは、大きな試合でも勝てるようになり
それなりのファイトマネーを貰うようになります。
そのお金を使って、母親に家を買うのですが。。。
この母親が酷く、家をくれるくらいならお金をくれといいます。
生活保護を不正に受けて暮らしている母親は
一軒家に住むことが出来なかったのです。
母親との決別を決意しスワンはボクシングに打ち込みます。
まだアマチュアにもかかわらず、国内に敵の居なくなったスワンは
イギリスなどのヨーロッパの選手と戦い始めます。
試合にことごとく勝利してきたスワンは、ラフプレイで有名な強敵と戦うことに成ります。
相手のラフプレーには、ラフプレーで応戦し
スワンは優勢に立ちます。
(ここで映画が終わっていればハッピーエンドでありがちな映画です。しかし、この映画は。。。)
スワンに優勢に立たれた相手は、ゴングが鳴り
自分のコーナーに帰ろうとしたスワンを後ろから殴ります。
レフリーが止めに入りますが、強烈な一発を後ろから喰らったスワンは
殴られた勢いのまま倒れこみます。
倒れた先には、ちょうどスワンが座るための椅子を
ウッドが出したばかりでした。
その椅子で後頭部を強打したスワンは意識を失い病院に運ばれます。
病院で目覚めたスワンは、首から下の神経が麻痺し
一人では動けない体になってしまいます。
ウッドは、スワンの家族に連絡を取りますが
家族が現れたのは数日後・・・
しかも、ディズニーランドで遊んだ帰り・・・・。
さらに、弁護士と一緒にでスワンの財産は
母親に所有権があると言います。
だれも、スワンのことは気にもとめていません。目的はスワンのお金だけ。
ウッドは激怒しますが、スワンのことを考えグッと抑えます。
家族が帰った後、ウッドとスワンは将来について話します。
ウッドはずっと自分が面倒を見てやる、あんな母親には渡さないとスワンに告げますが
スワンは「生きている意味が無い、もう死にたい」と告げます。
そして、自殺を図りますが、一人では死ぬことも出来ません。
その夜、ウッドがスワンの寝るベットに現れます。
眠るスワンの点滴のチューブに薬を打ちます。
するとスワンは、苦しむことなくゆっくりと、ゆっくりと、
息を引き取ります。ウッドはそのまま姿を消し
二度と現れることはありませんでした。
スワンを自分の娘のように思っていたウッド
ウッドを自分の父のように思っていたスワン。。。
二人には本当の親子以上の絆が有ったのでしょう。
その絆がさせた行動のように思います。
私は、クリント・イーストウッドは、絆について描きたかったのではないかと思います。
ハッピーエンドで終わらせることが出来た映画でしたが
ハッピーエンドにすることでは、ウッドの伝えたかった「絆」は
表現することが出来なかったのでしょう。
大変、深く重い映画だったと思います。